引越は宅急便で 箱はもらいもので

UnsplashのDmitry Kropachevが撮影した写真
さあ、帰るハコ(家)は整いました。
引越計画は直前に慌ててして
できるものではありません。
田舎生活を継続する中で
着々と進めていきました。
まず、引越はどうやってする?
◯◯引越センターのような業者に頼む?
大家具はないものの、遠距離移動の上に
予定の3月末は引越シーズンで価格高騰期。
かなり費用がかかると思われました。
………。
宅急便で送っちゃう、のは?
なるたけ荷物を処分していくつもりでは
あったものの、宅急便にすれば
かなりの量になるのは必至。
けど。

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それでも引越業者に頼むよりは
格段に安く済みそうでした。
ざっと計算したところ、
10万以内で抑えられるのです。
箱詰めは大変な作業になるけど、
宅急便でいこう!
オフシーズン物など
どんどん箱詰めできるものから
どんどん詰めていこう。
引越業者なら、段ボール箱も
持ってきてくれるのだけど、
箱の準備から自分でしないと
いけません。
まずホームセンターで販売されている
段ボール箱を見に行ったけれど…
ふ〜む…。
少しの間、思案しました。
そして、そこでは一切買わずに、

UnsplashのCHUTTERSNAPが撮影した写真
スーパーやドラッグストアに
ご自由にどうぞ的に置いてある
めぼしい段ボールの空き箱を
見つけてはもらって帰りました。
決して犯罪行為でもなければ
おとがめを受ける行為でも
なかったけれど、
あんまり大量に運んでて
目立ってしまうのも嫌やし…と、
最大でも1回 4〜5枚にしました。
このように、いっときは買い物に行く度に
必ず段ボール箱のいいのがないか
チェックするのが習慣となりました。
こうして少しずつ貯段ボール箱をし、
玄関の廊下に立てかけて出番を待たせて
いたのでした。
*このスケールがあったら、荷造りの際にどんなに助かったかと痛感します!
売れるものはなるべく売って、身の回りを軽く

UnsplashのEtienne Girardetが撮影した写真
遠方引越を見据えて、身の回り品を
必要最低限の量にするため、
早い時期から少しずつ処分を
始めました。
処分、といっても、なるべくお金に
代わるような処分方法を優先して…
大きかったり重かったりで、
発送が困難だったり、高額になる物は
直接手渡しを想定し、ジモティーで。
その他の物はメルカリで。
田舎はジモティー利用が多いのか
たくさんの物が結構よい値で
売れました。

Image by Solución Individual from Pixabay
衣装ケース5〜6個、衣装3段
引き出し、ハンガー掛け、自転車、老人用押し車、全身鏡、
脚付電子ピアノ…などなど。
隣の県からはるばる引き取りに
来て、代金を払った上に
何とお土産まで持参して下さる方も
あり、田舎ならではの人情味あふれる印象的な取引が多く、
本当にありがたいことでした。

Image by congerdesign from Pixabay
本は送料着払でまとめ買いしてくれる
業者に送り、一括査定。
個別に丁寧に売るよりもかなり安く
買い叩かれるかと思ったけれど、
ここは時間の節約の方をとった部分。
でも、多くの品が直前になって慌てて
捨てて処分していれば0円だった
ところ、早めに動き出したことに
より予想以上に収益となり、
それを引越の送料の一部に当てることもできたと考えると、結果 大満足でした。
シーズンオフ物から箱に詰め、最大重量まで利用
店頭から頂いてきた段ボールに
シーズンオフでしばらくの間
不要な服や靴、寝具などから
どんどん箱詰めし、
宅配にすぐに出せる形に
していきました。
依頼できる最大サイズを調べ、
2つの箱を合わせれば最大サイズ1個の
大きさになるようにできると気づくと、
ガムテープでぐるぐる巻きにして
無理くり引っ付けて
1個の箱の体(てい)になるようにして
送料を抑える技を駆使!
今思えば、
かなり無理のあるくっつけ様だったり、
重量制限値ぴったりのずっしり荷物に
なったり、ひんしゅくモノが多数だった
かも…。宅配業者さん、ごめんなさい。
制限重量を絶対に超過しないように
大きな荷物の箱をどうにか抱え持っては
体重計に乗り自分の体重分を引いて重さを出す、
ということを緻密にやっていました。

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(荷物用の測量計がなかったもので
苦労しました!)
自分で言うのもなんですが、
荷物の詰め方はとても見事で、
壊れやすい物は緩衝材で
衝撃から守るのはもちろんのこと、
これとこれを組み合わせて
一緒に箱に入れる、という相性を
素晴らしい目利きで判断しながら
きっちりと収めていき、無駄な空間が
空いたり、搬送中に何かが壊れたり
することは全くありませんでした。
日付指定を入れて、3日間位かけて
宅配便に持ち込んだ引越荷物は、
最終的に17箱ほどになりました。

Image by Mohammed Salem from Pixabay
引っ越し日の3日前まで仕事をしていたので、
引っ越し準備がぎりぎりまでかかり、
最終の荷物5点を持ち込んだのは、
引っ越し前日の午後8時の宅配営業所
受付終了時刻を30秒ほど過ぎた時刻
(だったようです)。
ぎりぎりセーフ、とばかり思っていたのに、
「受付はもう終了しました」と聞き、
絶望感でいっぱいになった私。
「どうしよう…どうしよう……」
気が動転してオロオロしている私を見て
気の毒に思ったのか、受付の方が一人、
黙って受付作業を始めて下さいました。
「すみません! ありがとうございます!!」
心の底から安堵し泣きそうでした。
田舎の温かい人情に助けられ、感動した瞬間でした…。
★京都に荷物が届いた時の実際の画像 ↓

車の売却は何と引越当日

UnsplashのPop Emanuel Alexandruが撮影した写真
田舎はどこへ行くのも車が必需。
夫と別れて生活する上で急遽、
車を用立てなくてはならなくなり、
大家さんで恩人のYさんを通じて
知人の方から軽の中古車を譲って
もらうことができました。
確か24万円だったと思います。
軽自動車の中でも特に小型の車種だったけど、
通勤と買い物、母の通院に役立ちさえすれば
何でもよかったのでした。
夏になって、エアコンが故障したのには
さすがにまいったけれど、引越荷物を
宅配業者に出しに行くために何往復もし、
小さな車体で大いに活躍してくれました。
さて京都へ帰ることになり、今度は
車を処分する必要が出てきました。
しかしながら、出発ぎりぎりまで車は必要。
結果的に、前日まで宅配荷物を運んでいたくらいですから…。
それどころか、この地を経つ日の行動を
シュミレーションしてみると、
当日もなお車がいることになるのです。
このような特殊な理由による無理を
聞いてもらえるだろうか…
買い物へ行くときに、通り沿いで見かける
中古車売買の店を思い切って訪ね、
買取見積り希望の旨と自分の事情を話して
みました。
やっぱり人情に厚い田舎の方々!
事情をくんでOKの返事をくれたのです。
買取代金は2万円でした。
引越前日から当日の行動については
次の章で語ります。
なかなかスリルものでしたよ。
引越前日のド緊張感
引越前日。

UnsplashのMatthew Hamiltonが撮影した写真
3日前まで仕事に行っていたので、
残りの荷物の箱詰め作業を
ぎりぎりまでやっていました。
母はいつものデイサービスの時間に
送り出したけれど、この日は
ショートステイをお願いし、
1泊分の荷物と共に出迎えの方に
託しました。
母の布団等も最終の送りの箱に詰めて
しまわなければいけないし、
介護用ベッドもトイレや廊下の手すりと
一緒にリースの会社の方が引き取りに
来られるので、家で寝てもらうことが
できない。

UnsplashのLinker Designが撮影した写真
娘と私は一晩のことだから、
そこらで
丸まって寝ればいいし、どうせ
夜遅くまで準備していたら
横になる時間もわずかだろう、
と予想していました。
”明日、いよいよ京都へ帰る”
高揚と寂しさと…緊張感が
入り混じっていました。
よろよろの母を連れて、
交通機関の予定時刻に
遅れないようにうまく乗り継いで
無事帰りつけるだろうか…。

Image by PublicDomainPictures from Pixabay
主要な交通機関は新幹線。
でも、この田舎町から
まず長距離高速バスに乗って
新幹線の停まる主要な駅まで
行かないとだめです。
母は車椅子で移動させる。
プラス大型スーツケースを
娘と私で1つずつ。
もちろんバスや新幹線に乗る際には
車椅子はたたんで持ち、母を
支えながら乗り降りしなければ
ならないのです。

Image by Amaya Eguizábal from Pixabay
考えただけでも
なかなかな作業です。
もう運にまかせるしかない。
何とかやり遂げるしかない…。
しかも、朝 出発荷物を乗せて、
母を施設に迎えに行って乗せ、
そのまま長距離バスのバス停へ
向かいます。
バス停に中古車店の方に来ておいて
頂いて、車の受け渡しをして
バスに乗り込む、という段取り。

Image by Luisella Planeta LOVE PEACE 💛💙 from Pixabay
どこかで何かが起こって
数分でも時間のロスができれば
命取り、という緊張感。
絶対に運転をミスって
事故を起こすことはできません。
ぶるぶる……(武者震い)。
*車椅子も進化をしていますね…
引越当日〜!!母を迎えに行くっ!

UnsplashのJordan Wozniakが撮影した写真
床にごろんと横になっただけの
数時間の仮眠で過ごした夜は
明けました。
良きも悪きも
様々なことを経験した
この地を、この家を、去る…
この日を目標に
3年計画で頑ばってきた…
高揚するような、
でも寂しいような、
何ともいえない郷愁で
胸がいっぱいに
なるのを感じながらも、
時間の余裕を持って行動するために
旅立ちの準備のために動き出し、
忘れ物チェックを余念なく
行いました。

Image by Phạm Quang Hoàn from Pixabay
突然に
住まわせてもらうことになった
この借家ともお別れ…
大変お世話になりました…。
そして、急遽 用立ててもらった車。
これがあなたの最後の運転です。
最後の最後までお世話になります、
よろしくお願いします、
の気持ちで荷物を乗り込んで、
母が待つ施設へ向かいました。
道中何ごともなく
たどり着けるように、と
徹底的な慎重さで運転した私
でした。
もちろん施設には
今日の段取りを説明してあったので、
到着すると、母の身支度や
持ち帰る荷物を準備万端にして
待ってくださっていました。
施設長さんが、
デイサービスで活動している
母の写真を小さなアルバムにして、
贈ってくださり、中を開くと
職員一人ひとりが手書きで
メッセージを添えてくださっており、
胸が熱くなりました。
お世話になったお礼と
お別れを丁寧に伝えた後、
母を車に乗せ、
一路、長距離バスのバス停へと
車を走らせました。
バス停が近づくと、乗り場の手前で
中古車店の方が二人並んで
私達の到着を待ってくださっているのが
見えました。
よかった…。
すべて段取りどおりに運びました。
車から母と娘、
車椅子とスーツケース2個、
手回り品を入れたバッグを下ろし、
お礼を言って車を引き渡しました。
中古車店のお二人は、
私達が高速バスの乗り場へと
スロープを上っていくまで
直立不動で見送ってくださって
いたのでした。
訳あり風で不思議に
映っていたかな、私達…?

Image by Trond Abrahamsen from Pixabay
余裕持って到着できたので
少し待っていると、
予定通りの時刻にバスが
到着しました。
大荷物をバスの腹部分の
トランクに預け、
母を脇でしっかり支えながら
乗り口の階段を上らせた…
と思うのですが、
今となっては
どんな風に乗せたのか
その時のことをはっきりとは
覚えていません。

Image by Misael Silvera from Pixabay
とにもかくにも予定通り
バスに乗れたことで、
安堵感に包まれて
第一歩を踏み出しました。
しばらくの間は休憩できる…。
*超大型スーツケースでお引越し
高速バスから新幹線へ乗り換え
バス乗車時間は2時間半ほどだったか…
その間、母がトイレに行きたいと
言い出したらどうしよう、という
心配がありました。
高速バスの中のトイレは
揺れるバスにふらつきながら
階段を下りて最小限のスペースの
小部屋に入らなければなりません。
若い者でもなかなか大変な作業。
介助を必要とする母には不可能です。
万が一に備えて紙パンツに中パッドを
重ねて、夜寝る時の装備にしておいて
もらいました。
水分を含んで重くはなるけど、
そのまま用を済ましてもらうしか
方法がないのです。

Image by wal_172619 from Pixabay
心配をよそに、トイレも体のつらさも
母は訴えないまま、
バスは新幹線乗換駅に無事着きました。
時刻は予定通り。
新幹線の時刻までに余裕を持たせていたので、
駅で軽く食事をとったと思いますが、
母が食べられるようなものがあったのか、
3人で何を食べたのか、まったく覚えていません。
帰り着くのも遅い時刻になるし、
着いてから夕食のことを考えるのも
大変なので、荷物にはなるけれど、
夕食用のお弁当もそこで買い求めました。
その内容もまったく記憶から消え去って
います。

Image by Armin Forster from Pixabay
とにかく無事の帰還に向けて
気持ちがいっぱいいっぱいで、
まったく余裕がなかったのでしょう。
ホームに上がり、時間までの間、
新幹線のわずかな停車時間に
瞬時に母と荷物を安全に乗せ込む
シュミレーションを頭の中で行い、
緊張しながら何度も時計を見て
待ちました。
新幹線の到着。
私はふらつく母と車椅子、
娘は2つの大きなスーツケースを
担当し、ホームとの隙間に
気をつけながら、
必死で車両に乗り込みました。
まわりからは、少し奇異な
目で見られていたと思います。

UnsplashのHayden Pollardが撮影した写真
新感線乗り込みタスク、クリア!
ああ、やれやれ!
もうここまできたら、ほぼ達成です。
母も不自由を訴えることもなく
私達に運ばれて来ています。
*施設スタッフは”リハパン”と呼んでいた、パンツ型オムツ



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